商品説明 |
南宋の餌畚(えふご)茶碗です。 餌畚茶碗は宋代ごろから同安窯(現・福建省)で焼かれた白磁碗で、舶載され中世の日本に渡り、のちに千利休により鷹匠の餌袋に似た玉縁のユニークさを見出され、茶陶として永らく愛されました。 本作は他の餌畚茶碗と同じく胎土・釉卓ともに淡い褐色を呈しており、永く土中に眠っていた白磁碗が発掘され、茶碗に見立てられたうちの一つと考えられます。徳留大輔責任編集『茶の湯の茶碗第一巻 唐物茶碗』(淡交社、2021年)所載の静嘉堂文庫美術館所蔵の一碗と同手とみられます。 本作にはさらに向島弘福寺六世・湛堂元定の享保六(1721)年の箱書を有し、石州流の茶人・柘植善九郎の茶会に招かれた際に、帰り際に屋形舟に乗ることを請われたが丁重に断り、その代わりに拝領した品である旨が綴られております。 柘植善九郎は川船奉行を歴任した幕臣であり、江戸の水運と年貢賦課を掌握する要職に在ったことが知られます。名僧鉄牛道機の法嗣をもてなす一環、かつ自ら操船の心得もあったのでしょうが、御年七十三歳、湛堂は中々乗り気ではなかったようです。 泰平の世の茶席の雰囲気を伝える逸品です。 ◆柘植善九郎 江戸前期-中期の茶人。幕臣,川船奉行。石州流の茶道を肥前平戸藩藩主松浦鎮信にまなぶ。享保11(1726)年没、78歳。名は正休。 ◆湛堂元定 江戸中期の禅僧。黄檗宗。鉄牛道機の法を継ぐ。下総福聚寺二世、武蔵弘福寺六世。 〔本文〕 此茶碗柘植善九郎正休居士恵来「年七十三」 「先之」居士寄書曰来日於府第会饗 曁「日」令嫡孫兵次郎巡視泉水引而坐 室謁見内侍其座珍物荘厳不可勝計 既而祝謝而皈居士送至玄関遥指門外 云天気好晴有舟請和尚乗之皈寺郎 艤舩設戸障及艫价等予辞謝而皈 翌日居士馳使札言謝且「恵」賜此茶碗因 不勝感謝書之誌焉 享保六(1721)辛亥(ママ)九月四日 弘福湛堂定記 付属:向島弘福寺六世・湛堂元定の識箱が付属します。 寸法:高さ5cm、径14cm(最大幅。若干の誤差はご了承下さい) 状態:経年感がございます。 |
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商品説明について |
・読み下しは参考程度に留め置き下さい。 ・水漏れの確認は、真水で1時間行っております。これ以上の水漏れにつきましては保証いたしかねますのでご了承下さい。 ・寸法は本体のみの実寸で計測しており、塗蓋・筒などの付属物は含めておりません。また掛軸は総丈・幅の実寸となり、本紙は計測しておりません。ご希望の方はお手数ですが質問欄にてお問合せください。 ・細かな山キズ、自然の貫入、釉薬の縮み、石ハゼなどは、個人の見解に誤差が生じる場合がございます。明らかに人為的なキズ、直し以外は無傷としております。 ・付属品(箱、布、栞、極書、額縁など)の状態は特筆しない場合がございますのでご了承ください。 ・信楽や伊賀など焼き締めの水指や花入のみ、水漏れの有無を確認のうえ記載しております。 ・通常、発送時には資材を再利用してお包みしております。新品の資材をご希望の場合には、ご落札後に取引メッセージにてご連絡ください。 |
ご入札にあたって |
・お届け先ご住所など取引ナビのご入力は、落札後2日以内にお願いいたします。期間内にご入力いただけない場合は、次点入札者に落札権をお譲りしますのでご了承下さいませ。 ・古物にご理解をいただき神経質な方は入札をご遠慮下さい。 ・商品画像、質問欄、当ページ記載事項をよくご確認の上、ご入札ください。 ・ご落札後は必ずお取引いただけますようお願い申し上げます。 ・新規または悪い評価が多い方は、入札の取消をさせていただく場合がございます。確実なお取引をお約束いただける方は、お手数ですが、質問欄にてご意志をご提示ください。 ・営業時間外のご連絡には対応できかねますのでご了承ください。当店は平日10:00-19:00、土曜10:00-18:00まで営業しております。定休日は日曜祝日、また、GWや夏季、年末年始に長期休暇がございます。 |
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_YF562__2024/10/25 |
商品名稱 : | 【深和】南宋、12世紀◆餌畚茶碗 湛堂元定識 柘植善九郎・向島弘福寺旧蔵 書籍所載品同手(中国古美術 茶人 石州流 鎮信流 茶道具 抹茶碗) |
備註 : | |