Andrea Amati Carlo IX (Cremona 2013) |
16世紀クレモナの名工 アンドレア・アマーティが手掛け、フランス王アンリ2世の王妃として知られるカトリーヌ・ド・メディチがまだ幼少のシャルル9世へ送った装飾ヴァイオリンの復元レプリカです。 クレモナのヴァイオリン製作家Stefano Rizz氏により伝統的なバロックヴァイオリンとして製作されています。 オールドヴァイオリンを模し、傷や修理跡、ニスの濃淡や汚れ等製作者の技によって本物瓜二つに再現されたアンティキッツァート・ヴァイオリン。オリジナルと同様に側面には『PIETATE ET JUSTICIA(正義と敬虔)』と記されています。 個体詳細・フォトギャラリーはこちら。 非常に音色が良い、小ぶり且つ最軽量級の4/4です。 本文の更新が遅れていますが、近日中に音色の良さや保管コンディション、配送について本文を追加予定です。どうぞ宜しくお願い致します。 |
【楽器の特徴と遍歴】 |
オールドのような見た目をしていますが製作は2013年と比較的新しいヴァイオリンです。 付属しているカードは通称チェルティフィカートといい、楽器の真偽と取引を製作者や工房主であるマエストロが認めるという内容が記述されています。 ※写真が緑掛かっているのは一時期額に入れて飾っていたため経年退色でインクが褪せてしまっている為です。 そこにも楽器の仕上げについて記述があり、実物のアマーティに習い継ぎネック等の構造的な修復痕が意図的に再現されている"Antichizzato"されたヴァイオリンです。 制作者は数々の名機オールドイタリーの修復に携わったヴァイオリン製作と古楽器鑑定の専門家で、このヴァイオリンは通常の新作楽器を作る時より遥かに多くの手間と時間がかかっているということです。 側面から見ると表板や裏板の縁、横板の厚み、スクロールの面取りラインが非常に薄く作られています。また、パーフリングから縁までの距離も昨今作られるアマーティ型の半分程度の長さしかありません。 つまるところ、内部容積や楽器の構造は殆どそのままに無駄を削り取った洗練されたデザインで、肩に載せた時腕の中へすっぽりと収まるような一体感はプレーヤー的には非常に嬉しいところです。また重量は370gと最軽量級、演奏スタイルにもよりますがこれだけ軽いとかなり疲れにくいと感じるのではないでしょうか。 |
【過去の修復歴】 |
楽器の保管状態ですが、写真を確認の上以下の点をご確認下さい。 ●修復痕Ⅰ:表板右肩よりクラック×1 状態:専門店により修復済。経年歪みによる自然発生的亀裂でパフリングに損傷無し。 ※修理当時、期間的問題により専門の美的修繕で痕跡を殆ど見えなくする方法を選べませんでした。塗面光沢に歪み等ありませんのでそのままでも殆ど目立つことはありません。 ●修復痕Ⅱ:表板左肩よりクラック×1 状態:亀裂はパフリングで止まっており、上記の点検時に発見、広がりが予防されています。 ●修復痕Ⅲ:表板左縁に打痕×1 状態:修復済。ニスレタッチ及び、段差修繕共に良好。塗面の違和感はなくパーフリングに損傷無し。 ※駒部分に跡付きやニス剥がれがあります。オイルニスのヴァイオリンに特徴的です。 ※表板にニス表面が亀裂のようになって見える箇所があります。クラックではなく油性の塗面の表層が上に塗られたフレンチポリッシュを吸い込んでできるものです。ふんわりと包み込むように被さる良質なオイルニスが使われた証拠という側面があり、悪いものではありません。トラブル防止の為意図的に目立つよう撮影させて頂きました。 |
【付属アクセサリ】 |
一部写ってしまっていますが、弓は売り物ではありません。 駒はミロスタムのスタンダードグレードだったと思います。 ペグは軋んだりカチカチと音がすることもなくぬるっと回り、非常に滑らかに止まります。 刻印等無い無印ですが、クレモナのR.A.C(シメオネモラッシの店)のペグです。エンドピンも同様。 細かな杢のびっしりと浮き出た楓製のテールピース、指板の組紐装飾は描きではなく、本当に溝を掘り加工された木材や骨を嵌め込んだ本象嵌です。 顎当ては昔使っていたヴァイオリンにつけていたもので、艶を失っていますがかなり良いものです。(柘植/ドイツ製) 弦はG以外人工のリジットガット弦。元々ガンバやリュート用のロール弦だったのですが、フライト対策のためゲージが同じものを切って使用していました。 温度や湿度の影響があまりなく非常に丈夫でまず切れないですが、発音が小さな練習用です。 魂柱も適切なポイントにしっかり立っています。 |
【音色について】 |
音色は若いですがモダンの新作等でありがちな角のある刺々しい感じは全くありません。少々鼻掛かりでスモーキーなフレンチくさい響き方をします。 無駄のない充実した音色で、バロックヴァイオリンの中でも特に倍音豊かな部類です。 バロックネック且つ駒高27cmとローテンションなためかなり繊細な音の立ち上がり方をします。 少し響く部屋に持って行って音を出すと、ピリオド楽器に特徴的な繊細な音色を自身で体験できるでしょう。 バロックヴァイオリンとして十分な鳴りとレスポンスです。新しい楽器をというのも変な話ですがモダン改修するとこれはまた違った凄みがありそうな気がします(笑) 【その他伝達事項】 E線等細い金属弦を使用するとき、傷付きや破損防止のためテールピースの弦が当たる部分をパーチメントで補強、又はテールピースを交換することをおすすめします。不安な場合は弦楽器専門店等で施工をお願いして下さい。 以上となります。バロックヴァイオリンについて、こういった品にご理解のある方に貰って頂けますと嬉しいです。 楽器の安全のため、バイオリンケースと本体を別々に発送する事があります。ご縁の際は最後までどうぞよろしくお願い致します。 Andrea Amati ann.MDLXV ”Carlo IX” https://en.wikipedia.org/wiki/Andrea_Amati |
商品名稱 : | 【バロックヴァイオリン4/4】クレモーナStefano Rizzi氏作 アンドレアアマーティCarloIX【製作証明書付属】 |
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