ハンス-ユルゲン・フォン・ボーゼ
死の瞬間に
クリストフ・ポッペン
ハンス-ユルゲン・フォン・ボーゼ
(Hans-Jurgen von Bose 1953- )
・死の瞬間に( In hora mortis )~語り手と弦楽オケのための(1991)
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ショスタコーヴィチ
・室内交響曲Op.110a
マリアンネ・ホッペ(nar)
クリストフ・ポッペン /
デトモルト室内管
1992.3.11-17 シュランゲンでの録音
CD1枚 EMI CDC754555 2
1993年発売 独盤
ボーゼはミュンヘン生まれ、トロヤーン(1949-)の4つ、W・リーム(1952-)のひとつ下で、彼らとともに、ドイツ・新ロマン主義の旗手として評価された人です。
先生は、ハンス・ウルリッヒ・エンゲルマン(1921-2011)。ハウアーの孫弟子、クジェネク、レイボヴィッツ、アドルノ、フォルトナーの弟子になります。
ボーゼは、ミュンヘンでの教職中、2006-07年に起こした、学生の妹に対する性犯罪容疑で、2016年に逮捕、2020年に無罪判決。一方で、薬物所持容疑で有罪となっています。
流れのある音楽に、硬軟取り混ぜ、巧みに装飾された衒学的な要素を散りばめる作風。ニュアンスですが、村上春樹に通じる気がします。
出世作のバリェ=インクランによる「血の契約」(1974)、代表作とされるヴォネガットJr.による「スローターハウス5」(1995)など、テキストを伴う作品が本領ですが、器楽曲も相応にあります。
標題曲は、『ヴィトゲンシュタインの甥』(1982)など邦訳も多いオーストリアの作家、トマス・ベルンハルト(1931-89)が、1958年に出版した、同名の詩集がテキスト。
シェーンベルクの「期待」を本歌取りしたような、プロローグと8つの部分からなる35分ほどの心理的メロドラマです。
デトモルト室内管は1954年設立、ティボール・ヴァルガが長く指揮者を務めていました。ポッペンはヴァルガを引き継ぎ監督に就任。
語り手のホッペ(1909-2002)は、1920年代末、ナチス政権樹立前からのキャリアを持つ女優。録音時には80歳を越えており、88歳まで舞台に立ったという、ドイツ演劇界のレジェンドです。
ケース、解説に細かいキズ、汚れあり。当方の機器では再生に問題なし。素人保管。
よろしくお願いします。