最たる例は「Bring It On Down」のイントロでしょう。トニー・マッキャロルが叩きだすドラミングはサウンドボードそのもの。単に音像が近いというだけにとどまらず、それぞれの楽器の音が生々しい。ノエルのギターなどPAでなくアンプからの出音では?と錯覚しそうになるほどですし、ギグジーのベースもブリブリと唸っている。何よりリアムの歌声がまた実に近い。勢い余ってフィナーレ「I Am The Walrus」では彼とバンドが噛み合わなくなる場面まで。
録音は「Bring It On Down」の序盤からスタートしており、そこでは少し音がこもっている。ところが、これこそ100クラブのドアを開けて中に入ったかの臨場感がありありと伝わってくるもので、すぐに音がクリアーになって演奏がどんどんクローズしてくるという。さすがにデビュー前という事もありレパートリー少なめ、ステージ自体も30分を切るものでした。
この収録時間の短さが仇となって今までリリースされたアイテムはCD-Rのみ、またこの日の目玉である「I Will Believe」のみがコンピレーションものでプレスCDに収録されたことがありましたが、ギグ全体のプレスCDリリースが実現するのは今回が初めて。これだけの高音質オーディエンス録音ならばプレスCDが相応しいというもの。
その目玉たる「I Will Believe」は唯一の純生ライブ演奏の記録としてマニアにおなじみなライブテイクであると同時に、この曲が最高音質で捉えられたというのは本当に幸運でしょう。特にリアムの声が大きく響き渡り、演奏と共に初々しさに溢れた雰囲気には聞き惚れてしまいます。このようにオアシス1994年のデビュー時のビフォー&アフターをどちらも信じられないほどの高音質オーディエンス録音で捉えた歴史的ドキュメント。これはオアシス「青の時代」の記録です!
(71:04) Old Trout, Windsor, London, UK 7th May 1994 01. Shakermaker 02. Fade Away 03. Digsy's Dinner 04. Live Forever 05. Bring It On Down 06. Up In The Sky 07. Cigarettes & Alcohol 08. Supersonic 09. I Am The Walrus 100 Club, Oxford Street, London, UK 24th March 1994 10. Bring It On Down 11. Digsy's Dinner 12. Live Forever 13. I Will Believe 14. Cigarettes & Alcohol 15. Supersonic
Liam Gallagher - lead vocals, tambourine Noel Gallagher - lead guitar, vocals Paul Arthurs - rhythm guitar Paul McGuigan - bass Tony McCarroll - drums
★★特別企画
オアシス「SPRING 1994 GIGS」の初回限定ナンバー・ステッカー付に限り、1994年2月6日、スコットランドはパースシャーの高級ホテルで行われたレコード会社主催のオアシスのライヴを、高画質プロショットで収録した 「GLENEAGLES HOTEL 1994」が特別に付属致します。
OASIS - GLENEAGLES HOTEL 1994 (Bonus Disc)
Gleneagles Hotel, Perthshire, Scotland 6th February 1994 PRO-SHOT