あら、みなさん、こんにちは! 私はHeather Drain、B級映画の泥臭い世界に首まで浸かったエキスパートよ。今日のテーマは、1989年にイタリアから飛び出してきたこの怪作、『BLUE ANGEL CAFE』。監督はあの伝説のエロティック・ホラー王、Joe D'Amato。タイトルからして、1930年の名作『青い天使(The Blue Angel)』を思わせるけど、Marlene Dietrichの妖艶な歌姫像を、80年代後半の安っぽいソフトコア・エロスに置き換えたような、そんなチープで魅力的なB級の宝石さ。IMDBで4.7点、Rotten Tomatoesでは批評ゼロの無視っぷりだけど、それがまたB級の醍醐味じゃない! 私はこの映画を何度も観返したわ。なぜなら、完璧じゃないからこそ、輝くんだもの。さあ、プロットからキャスト、制作秘話、批評、そして文化的残り香まで、すべてぶちまけて長々と語っちゃうわよ。コーヒー淹れて、座りなさい。B級の旅は長いんだから。
物語は、1980年代後半のアメリカを舞台に始まる。主人公のRaymond Derek(Richard Brown演じる)は、典型的な上昇志向の若手政治家よ。知事選に照準を合わせ、華やかなキャリア、美しい妻(Jayne Gray)、気の置ける友人たち、そして高級住宅街の豪邸を手に入れた、まさにアメリカン・ドリームの体現者。オフィスで秘書に「邪魔するな」と威張り、インタビューに応じ、カクテルパーティーで握手しまくり。すべてが順風満帆に見えるわ。でも、そんな彼の人生を一瞬でぶち壊すのが、Blue Angel Cafeのキャバレー歌手、Angie(Tara Buckman)。
Raymondは、選挙キャンペーンのストレス発散に、友人(Rick Anthony Munroe)と一緒にこの怪しげなナイトクラブに足を運ぶ。そこで出会うAngieは、ステージで妖しく歌い、観客を魅了するセクシーな美女。Marlene DietrichのLola Lolaを思わせる衣装を纏い、Liza Minnelliばりの「I'm-Down-And-Out-But-I'm-Fightin'-Back」スタイルで歌う彼女に、Raymondは一目惚れ。最初はただの気まぐれの出会いのはずが、二人はすぐに情熱的なアフェアに突入。ホテルのベッドで絡み合うシーンは、D'Amatoお得意のソフトコア・エロス全開よ。でも、ここがB級の妙味。セックスシーンは短くてコミカル、1分未満で終わるから、興奮より笑いが込み上げるわ。
ところが、運命は残酷。Angieのマネージャー(おそらく金儲けのため)が仕組んだスキャンダルで、二人の関係がタブロイド紙の一面に躍り出る。Raymondのキャリアは崩壊、妻は去り、友人たちは距離を置き、家は荒廃。スキャンダルの渦中で、RaymondとAngieは必死に新しい人生を築こうとするけど……。ここからが本当のB級ドラマの醍醐味よ。Fatal Attractionみたいなストーカー要素を期待したくなるけど、D'Amatoはそんな安直なホラーに走らない。代わりに、泥沼のような人間関係の崩壊を描く。Angieの過去のトラウマ、Raymondの野心の空虚さ、そしてメディアの残虐な視線が交錯し、すべてが「運命なんてクソ食らえ」って叫びたくなるカオスに陥るの。
プロットは陳腐? 確かに、似たような「禁断の恋で転落」ストーリーは山ほどあるわ。でも、この映画の魅力は、その陳腐さを自覚した上でのチープさ。D'Amatoはアメリカン・スタイルを模倣しようとして失敗するんだけど、それが逆にリアリティを生む。1980年代のレーガン時代を背景に、政治家の道徳的腐敗とエンタメ業界の俗っぽさを風刺してるんじゃないかしら。Raymondのオフィスシーンは、まるで低予算のTVドラマみたいに平板だけど、それがまた「本物のアメリカ」を覗き見てる気分にさせるわ。クライマックスでは、二人が逃避行を試みるけど、結局「一部のものは永遠じゃない」って諦めの境地で終わる。ハッピーエンド? ないわよ。B級だから、観客に「人生ってこんなもんか」って溜息をつかせるだけ。
キャストは、B級映画の典型:無名俳優の寄せ集めだけど、そこに潜む個性が光るわ。まず、主役のTara Buckman as Angie。彼女はまさにこの映画の救世主よ。元モデルで、70年代のB級作品で活躍したベテラン。Angie役で、ステージでの歌唱シーンは圧巻。Marlene Dietrichのモノマネみたいにタバコをくゆらせ、マイクロフォンを握りしめて歌う姿は、セクシーさと哀愁が混じり合ってたまらない。
Letterboxdのレビューでも「Taraの胸が2位と3位を独占」なんてジョークが飛ぶくらい、彼女のボディがスクリーンを支配するわ。でも、Buckmanはただの飾りじゃない。感情の揺らぎを微妙に演じ分け、Angieの「闘う女」の強さを体現してる。もし彼女がいなかったら、この映画はただの退屈なポルノ崩れよ。
対するRichard Brown as Raymondは……うーん、残念ながらB級の悲哀の象徴。スクリーンプレゼンスゼロで、演技は木偶の坊みたい。政治家らしい威厳を出そうとして、ただの間抜けに見えるわ。友人役のRick Anthony Munroeも、メガネをかけた冴えないヤツで、セリフが棒読み。Jayne Grayの妻役は美人だけど、出番少なすぎて影薄い。他の脇役、Vera M. Mooreのジャーナリストや、カメオ出演のLaura Gemser(D'Amatoの常連、エマヌエルシリーズのスター) as フォトグラファー※請確認是否動物毛皮。動物毛皮製品屬於華盛頓條約条約牴觸物品,無法國際運送。も、短いシーンでスパイスを加えるだけ。Gemserの登場はファンサービス満点よ。全体として、キャストは「安かろう悪かろう」の極みだけど、それがD'Amatoの低予算哲学を体現してるわ。ハリウッドのスターシステムじゃなく、誰でも輝けるB級の民主主義ね。
Joe D'Amato(本名Aristide Massaccesi)は、B級映画の神様。200本以上の作品を手がけ、エロスからホラー、ポルノまで何でもござれの職人よ。この『BLUE ANGEL CAFE』は、彼の1980年代後半のフェーズに位置づけられる。原題はイタリア語の『Oggetto del Desiderio』(Object of Desire)、脚本はDaniele Stroppa(偽名Daniel Davis)とLaurence Abby。プロデュースはD'Amatoの会社Filmirageで、Variety Distributionが配給。撮影はD'Amato自身が担当し、編集はKathleen Stratton、音楽はLuigi Ceccarelli(偽名Pahamian)。総予算は不明だけど、明らかに低め。イタリア製なのにアメリカ英語で撮られ、セットはロサンゼルスの安アパートや偽物のナイトクラブ風スタジオ。D'Amatoはここで、アメリカン・ドラマを模倣しようとしたのよ。結果、アクセントの混在やチープな照明が目立つけど、それがエキゾチックな魅力に変わる。
トリビアとして面白いのは、タイトルが『嘆きの天使』へのオマージュだってこと。1930年のJosef von Sternberg監督作で、教授がキャバレー歌手Lolaに落ちる話よ。D'Amatoはそれを現代風にアレンジ、でもホラー要素は抜きでエロドラマにシフト。サウンドトラックはロマンティック映画のパクリ満載で、退屈なピアノ曲が延々と流れる。Video Watchdog誌(1991年)では「blas potboiler(退屈な煮込み)」と酷評されたけど、D'Amatoファンには「失われたカルト・クラシック」として再評価の兆し。リリースはイギリスで1989年8月18日、米国ではVHSオンリー。DVD化は最近で、2020年代に入ってストリーミングで蘇ってるわ。D'Amatoの死後(1999年)、彼の遺産はこうした「忘れられた」作品で輝きを増すのよ。
批評家たちは容赦ないわ。IMDBのユーザー・レビューでは「失われたカルト・クラシック? ただの失われたゴミよ!」って声が大半。セックスシーンが短すぎてエロとしても失敗、ドラマとしても平板だって。Letterboxdでも「D'Amatoの他の80sエロ映画に比べてスタイリッシュさもスリーズさもない」って辛口。一方で、MonsterHunterのレビューみたいに「政治家の野心の空虚さを描くB級の風刺」として擁護する声もあるわ。Rotten Tomatoesは批評ゼロ、ポップコーンメーターもゼロ。ま、期待値が高すぎるD'Amatoの名前が仇になったのね。
でも、私Heather Drainから言わせりゃ、これはB級の真髄よ。完璧じゃないからこそ、観るたびに新しい発見がある。Tara Buckmanのボディがスクリーンを食うシーン、Raymondの崩壊がコミカルに描かれる瞬間、メディアの残虐さがチープに映るアイロニー。エロスはマイルドだけど、だからこそ「人間の弱さ」を強調するの。D'Amatoの他の作品、例えば『Emanuelle in Bangkok』のハードコアに比べりゃ穏やかだけど、それが80年代末の「ソフト化」トレンドを反映してるわ。批評の低さは、むしろ「隠れた宝石」としての価値を高めてる。B級ファンなら、深夜にVHSテープを巻き戻しながら笑えるはずよ。
文化的インパクト? 大きくはないわ。メジャー映画じゃないから、ポップカルチャーのメインストリームには届かない。でも、B級コミュニティではD'Amatoのディスコグラフィの一部として崇められてる。X(旧Twitter)では、Sexploitation Movie Postersアカウントがポスターアート(Enzo Sciotti作)を投稿して、2024年11月時点で26いいねを集めてるわ。エロティカとグラフィックデザインのファンに刺さってるのよ。Laura Gemserのカメオは、彼女のエマヌエル・ファンにニヤリとさせるサービス。
この映画は、80年代のスキャンダル文化を予見してるんじゃないかしら。Gary Hartの選挙落選みたいな政治スキャンダルが、現実のエコーよ。現代では、#MeTooの文脈で再解釈可能かも。Angieは被害者? それとも共犯? そんな問いを投げかけてくるわ。B級の力は、時代を超えて「人間の愚かさ」を映す鏡になること。『BLUE ANGEL CAFE』は、青い天使の羽を折られた男の物語として、永遠にB級の棚に並ぶわ。
結びはB級の誘惑に落ちろ、でもほどほどに。ふう、長くなったわね。でも、これで『BLUE ANGEL CAFE』のすべてをぶちまけたはずよ。Joe D'Amatoのチープな魔法が、Tara Buckmanの魅力で輝くこの一作は、B級のエッセンスそのもの。退屈? そう思うなら、あなたはまだ本物のB級に目覚めてないわ。深夜に観て、笑って、ため息ついて。きっと、Angieの歌が頭に残るはずよ。「Falling in Love Again」じゃないけど、「Blue Angel」のメロディーが、心の闇を優しく撫でるの。次はどのB級をぶっ込む? 質問待ってるわよ、Heather Drainより。
(2025年 10月 4日 7時 13分 追加)
OPPAIUNKO