ファッションデザインやレストラン経営などマルチな活動で知られる Duval Timothy が、まだまだ無名だった2016年に I Should Care という小さなレーベルからリリースした初のスタジオアルバム。後に Vinyl Factory から再発盤が出ていますが、こちらのオリジナル盤とは収録曲が異なります。テクノ的な反復や断片的なフレーズにあるヒップホップへの情景、そして何より聴き手に安らかでどこか懐かしい風景を喚起させるような美しいメロディーの数々。ピアノのみ、という極限にミニマルな構成の中、彼のパーソナルな面が如実に映し出された快作です。