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■死刑台の舞踏
深夜の新宿公園。デザイナー・井草麻美子が暴漢に襲われた。持田明は男を刺し、彼女と逃走。ところが、暴漢は、川崎の竹籔で絞殺死体として発見された。しかも、執拗に二人を脅迫した『目撃者』までが何者かに…。静浦署の志水刑事は、被害者たちが、中学時代に彼をいじめぬいた怨敵と知り、捜査を開始。やがて浮かんだ第三の男とは?多重構成で描く長編本格推理。
■鉄筋の畜舎
大手デパート「赤看板」の社長付き運転手として真面目に勤めていた竹場正吉。そんな彼が、轢き逃げ犯として逮捕され、獄死してしまう。その息子の栄一は、父の冤罪を晴らそうと「赤看板」へ入社、真犯人を探り出す…。そして、栄一の仕かけた壮絶な復讐とは。
■黒い神座(みくら)
高級クラブ「パンドラ」のNo.1ホステスが猫と心中(!?)した。不審を抱いた深田光彦が行方不明。その後、クラブのオーナーで資本家の未亡人竹植量子が銀行員の栗須知良と再婚。さらに相前後して里村確三郎という老人が殺された。―深田の隣人で地元新聞の記者勝野純一郎は、東京近郊の新興都市を騒がせたこれらの出来事に関わるうち、一連の事件を結ぶ凶悪な存在を感じ真相を追う。一方、次期政権を目指す政界の実力者間室達也は、かつて恩を受けた里村老人の死をきっかけに事件と深く関係して行くことになる―。錯綜する野望と殺意を多次元構成でスリリングに描く長編推理小説。
■夜行列車
樹齢八百年といわれる金木犀の強い芳香に魅き寄せられるように、新宿発の最終夜行列車で夜明けの信州を目指し一人旅に出たOL中瀬恵子はふっつりと消息を絶った。恵子の行方を追った父正治も金木犀の大樹の傍で轢死した。正治と夜行列車で出会った北里は二人の死の背後に潜む不倫の男女を追ったが…。
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